プリコネから学ぶチームマネジメント
04/11 2020
概要
『プリンセスコネクト!Re:Dive』のクランバトルにおいて運用改善のために以下の取り組みをしたので、そこから学べることを考察する。
- チームビルディング
- 凸予約管理Bot導入
そもそもクランバトルって?
クランメンバー30人でボスを攻撃して、総合スコア(≒ダメージ)をクランごとに競うイベント。
ボスは先鋒、次鋒、中堅、副将、大将のように5種類いて、先鋒から順番にすべて倒すと1周クリアして次の周になり、また同じ種類のボスが5体出現する。
クランメンバーは、1人あたり1日に3回ボスに攻撃できる。
ボスごとに向き不向きのキャラがおり、一度使用したキャラは再使用できないので、クランメンバー全員でバランスよくボスに攻撃していくことが求められる。
一部クランでは、「次にこのボスに攻撃するからみんな攻撃しないでね」といった予約のローカルルールがあるクランがある。
チームビルディング
目標
- クランの順位を上げる
方法
- Discord導入
- 目標を立てる
- ミスを歓迎する
- 挑戦を促す
- メンバー全員とコミュニケーションをとる
- 期待していると伝える
- オープンコミュニケーション
結果
- クランの順位が上がった
- Discordを導入している人のスコアが平均で約3800万上がった(11月→12月)
考察
本来はチームとして機能してきた1月以降の結果にしたかったが、ニャルのせいでスコアが激変していて参考にならないので、11月→12月のスコアを参考にした。
Discordの導入はクラマスがやりたがっていたので、導入自体はすぐできたが浸透するのに時間がかかった。
人は変化を死ぬほど嫌う。
「変化が嫌だから導入しない」という消極的否定派をいかに巻き込むかが重要。
自分が率先して導入して、継続して導入を促すことで過半数をDiscord導入者することで浸透させていった。
目標は、クラマスが具体的な順位を示すことによって、明確なビジョンが共有された。
結果として、クラバト終盤で順位を上げるための頑張りが見られた。
チームビルディングにおいて、心理的安全性を高めることは重要。
ミスを歓迎することによって、心理的安全性を高めた。
結果として、わからないことがあったらすぐに聞ける雰囲気を作れて情報が共有されるようになり、個人のパフォーマンスが向上し、クランの順位が向上した(と思う)。
チームビルディングにおいて、挑戦によるイノベーションを促進させることは重要。
具体的には、ニャル編成を使うか迷っている人に挑戦を促して、クランの順位向上を狙った。
結果として、多くの人がニャル編成を積極的に使うようになった(と思う)。
コミュニケーションにおいて、仲良くなることで意思疎通がしやすくなる。
メンバーの全員とコミュニケーションをとることによって、単純接触効果を狙った。
また、SNSによる非常に薄い繋がりなので、クランへの帰属意識向上も狙っている。
一人でもよく知っている人がいる方が円滑な情報共有とコミュニケーションがされやすいので、これは効果があったと考えている。
コミュニケーションにおいて、感情を伝えることで、意図がより正確に伝わり、信頼関係を築きやすくなる。
期待している、と気持ちを伝えることで信頼関係の最初の一歩を踏み出す。
また、ピグマリオン効果によるメンバーのパフォーマンス向上の狙いもある。
オープンなコミュニケーション、全員が閲覧できるチャンネルでの報連相によって情報を共有した。
それを見た別の困っている人の問題が解決するかもしれない。
情報格差と属人化をなくすために、基本的に全員が閲覧できるチャンネルで会話すべき。
チームビルディングにおいて大事なのは、メンバーの主体性(≒個人の頑張り)を促すこと。
スコア向上に関しては、育成が進んだことによるところも大きいが、チームビルディングによっても一助となれたと思う。
凸予約管理Bot導入以前には、予約者一覧をまとめる等、主体的に行動するメンバーもいた。
凸予約管理Bot導入
概要
凸の予約、予約解除、予約者一覧を表示するDiscord Botを導入した。
機能
- 絵文字を使って簡単に予約、予約解除
- 次の予約の人にメンションで通知
- 管理者用コマンドで予約者不在の場合に他の人の予約を削除可能
- 本番用データと分離したBotテスト用チャンネルでテスト可能
- アンドゥ・リドゥ実装
- 複数のセリフパターンを用意して飽きさせない作り
結果
- 手間が削減された
- ヒューマンエラーがなくなった
- 今まで予約しなかった人が5人予約するようになった
- 同時予約者数が最大3人だったのが8人に増えた
考察
凸予約管理の自動化によって手間が削減された。
現在の予約者や予約順番を間違えるといったヒューマンエラーもなくなった。
Bot導入によって、今まで予約しなかった人が5人予約をするようになった。
また、同時に予約する人数も3人から8人に増え、より予約が活用されるようになった。
人は、人に命令するよりも機械に命令する方が心理的障壁が少ないと言われているが、これを如実に実感した。
まとめ
チームビルディングを行うことによって、メンバーのパフォーマンスが向上し、チームの目標を達成できた。
凸予約管理Bot導入によって、より予約が活用されるようになり、メンバーのパフォーマンスが向上した。
実際の業務だと成果を数値で表せないので、カイゼンに対する効果が目に見えにくい。
プリコネのクラバトでは、個人の成果とチームの成果がスコアとなって表れるので、カイゼンに対する効果が見える化されている。
今回の取り組みで、チームビルディングはメンバーのパフォーマンスが向上することとチームの目標を達成できることが確かにわかった。
チームビルディングは、チームマネジメントとしてはリーダーがやるべきだが、そもそもの目的はチームの目標を達成することなので、メンバーが実践しても効果があることがわかった。
結果として、チームの文化が形成されればチームは機能するということがわかった。