カウンセリングとは何か
08/08 2020
近年カウンセリングという言葉は一般的になってきたと感じていますが、カウンセリングそのものは一般的になっていないように感じます。 その理由のひとつはカウンセリングとは何かを具体的にはしらないからではないでしょうか。本記事がカウンセリングを理解することの一助になれば良いかと思います。
アジェンダ
カウンセリングとは
カウンセリングの文脈では、相談者のことをクライエント、専門知識を持って援助する人のことをカウンセラーと呼びます。
広義のカウンセリングでは、クライエントの問題に対して、専門知識を持って相談を受けること全般を指します。 このうち、カウンセラーが心理の専門知識を持って相談援助を実施する「心理カウンセリング」のことを単にカウンセリングと言う場合もあります。(狭義のカウンセリング)
ここでは狭義の心理カウンセリングについて記述しています。
カウンセリングで行われる援助
カウンセリングの手法はカウンセラーやクライエントが抱える問題によって千差万別なのですが、共通する基本的な部分として、 受容的な態度でクライエントの困りごとを傾聴するという点は共通しています。 クライエントは困りごとや気持ちを話し、カウンセラーがそれに対応することを繰り返すことでカウンセリングは進行していきます。 この過程の中でクライエントは新しい気付きを得たりすることで、クライエントが成長し、変化することがカウンセリングの目的となります。
ポイントはカウンセラーがクライエントが直面している問題に介入するのではなく、クライエントの成長を主眼としている点です。
カウンセリングの効果
カウンセリングには以下のような効果があるとされてます。
- 浄化
- 問題の整理
- 症状、機能性の改善
- 自己理解の促進
- 問題解決能力の向上
浄化
悩みがあったり混乱しているクライエントがその状態を表現することによって気持ちが落ち着きます。 話すことですっきりするというように表現されたりします。
問題の整理
クライエントの問題を人に話すことで改めて問題を整理して認識することができます。
症状、機能性の改善
特に心理的な問題に対して、うつや不安や苦悩の改善、人間関係のような実質的問題のうち、心理的側面の問題の改善が期待できます。
自己理解の促進
クライエントはクライエントのやりとりを通して、自己について深く考え、結果として自己理解が促進されます。
問題解決能力の向上
クライエント自身が成長し、問題に対処する方法を身につけたり、自信を持つことができるようになったりします。
他の相談支援活動との比較
このセクションはカウンセリングと似た概念とカウンセリングを比較することでカウンセリングがどういう特性を持つか明らかにするアプローチです。
医療
カウンセリングは医療行為ではありませんが、医療機関で治療の手法として行われることがあります。 なお、医療機関以外で行われるカウンセリングは医療行為ではないので、当然保険適用外ですし、医療行為(診察、診断等)はできません。
メンタリング
メンタリングは人材育成に焦点が置かれる対人支援行為です。 非指示的でメンティーの成長を目標としている点で共通する部分が大きい概念です。 必ずしも精神心理的なものであるとは限らない点で異なります。
コンサルテーション
心理コンサルテーションはクライエントが抱える問題への具体的な対応策を提供するものです。 カウンセリングが問題に対しクライエント自身が解決できるようになることを促すのに対し、コンサルテーションでは対応策を直接提供する点で異なります。
どこで受けられるか
カウンセリングに限りませんが、心理的な悩みに関しては厚生労働省が運営するサイトに窓口案内があります。
おわりに
悩みや問題を人に話すことの効果はとても高いものですので、悩みを抱えていて相談口があるならば積極的に利用すべきだと思います。 特に精神疾病で無いとしても、問題が軽度なうちに対処できるならばそれに越したことはありません。 悩みがある人におかれましては、是非カウンセリングを受けてほしいと思います。
なお、私も通話によるカウンセリングを承っております。 お気軽にお問い合わせください。