『SAVE THE CATの法則』 前半
05/29 2020
初めに
- 著者について
ブレイク・スナイダー (2009年に死去)
ハリウッドで最も成功した競売向け脚本家の一人 - 著書について
2005年に初出版
主に映画の脚本を本気で売るためのノウハウについて記載
アジェンダ
前半
- どんな映画なの?
- どんなジャンルの映画?
- ストーリーの主人公
後半
- ストーリーの構成
- ボードを作ろう
- 脚本の黄金ルール
- 脚本の見直し
- 脚本の売り方
どんな映画なの?
これに答えられないと、見ようとも思わない
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まずは最高の「ログライン」を作る
- 赤の他人がワクワクできるような一行の説明のこと
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売れる脚本のログラインに共通する4つの事
- 皮肉
- ターゲットとコスト
ex) 入社したての新入社員が、歓迎されるどころか命を狙われる話 - イメージの広がり
ex) 彼女は完璧な美女!... お酒を飲むまでは... - パンチの効いたタイトル
ex) 4 chiristmases (新婚ホヤホヤのカップルが、離婚した親(計四人)のもとでクリスマスを過ごす事に...)
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テストマーケティングを行う
- 客観的に判断するため、赤の他人に自分のアイディアを聞いてもらう
- ターゲット層で、しかも急いでいる人にやって足を止めるなら、いい線を行っている
どんなジャンルの映画?
- 各ジャンルごとに、いつの時代や状況でも人気を博した共通項がある
- 自身の脚本をジャンルに当て込み、同じジャンルの作品を参考にできるようにする
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以下のいずれにも該当していないなら、観客から共感を得られず考え直した方がいい
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家の中のモンスター
- 閉鎖空間でモンスターに襲われる話
- 人間の欲望がきっかけで襲われる
- モンスターにどんな新鮮味をいれるかが重要
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金の羊毛
- 何かを求め、旅をし、別の大切なことを見つける話
- 主人公が様々な人と出会い、変化がおき、成長していく
- 最終的に何を見つけるか、どう変化してきたかが重要
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魔法のランプ
- 夢や願望が魔法で叶う話 (もしくは呪いにかかる話)
- 主人公は最初酷い目に遭い、願望を抱く
- 願望が叶うが、最後は道徳的に普通の人の方がいいと願う
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難題に直面した平凡なやつ
- 平凡な奴が、突如難題に直面する話
- 観客自身の身にふりかかるかもしれないと思わせ、共感させる
- 問題が大きいほど、それを乗り越えた主人公に観客は感動する
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人生の節目
- 人生においての辛い厳しい体験の話
- 誰もが辛い人生を乗り越えて生きているので、共感する
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バディとの友情
- 最初は仲が悪いが、お互いの重要性を徐々に認め、最後には二人で一つの完結した存在になる
- 主人公は変化し、バディは変化のきっかけを作る役回り
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なぜやったのか?
- 事件が起きた理由が最後に暴かれる話
- 探偵は観客目線で事件を徐々に紐解き、最後には想像もしない人間の邪悪さに触れる
- 観客の心をスクリーンに映し出し、考えさせられる
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バカの勝利
- 表面的にバカで間抜けな奴が、最後には輝き勝利するという話
- 人はなぜかアウトサイダーが勝利すると、自分のことのような感じて共感できる
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組織の中で
- 組織を動かす根源が狂気的もしくは自滅的なストーリー
- 主人公は新人の場合が多く、観客と一緒に組織の仕組みや問題を暴いていく
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スーパーヒーロー
- 超人的な力を持つ人が平凡な状況に置かれる話
- スーパーヒーローは人間の心を持っていて、観客は共感をする
- 周囲にいる人間の心の狭さを原因にヒーローは辛い思いをし、苦悩する
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ストーリーの主人公
- どんな映画なのか? を補足する一要素
- 観客は、主人公に注目し、自分を投影し、共感する
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最大の葛藤を持ち、最大の変化が起き、最大のインパクトを持たせるべき
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ログライン膨らませる
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以下の3つをログラインには必要
- 主人公を描写する的確な形容詞
- 悪役を描写する的確な形容詞
- 人間だったら誰でも共感する原始的な目的
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以下を参考に、ログラインを膨らませる
- 設定された状況の中で、一番葛藤するか
- 感情が変化するのに、一番時間がかかるか
- 楽しんでもらえる客層の幅が一番広いか
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主人公に原始的な動機はあるか?
- 原始的な動機に万人は心動かされる
- 家族、恋人を絡めると自然と興味や注目をする
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主人公の配役を決めない
- 脚本が売れる前から、配役は考えない
- 特定の俳優を頭に描いて、登場人物を作らない
- 特定の俳優を配役として決めず、十分な幅を持たせる
(絞り過ぎると演技できる俳優が限られ、売れない)
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俳優の典型的な役柄
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観客が見たがる典型的な役柄
- 若くて明るいナイスガイタイプ
- 可愛い隣の女の子
- わんぱく小僧、賢いやんちゃ坊主
- セクシーな女神
- セクシーな男 など
- いい奴は応援したくなるし、悪い奴にはバツを受けて欲しくなる
- 主人公がどういう型にハマっているかを理解し、ひねりを加える必要がある
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最後に再確認
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主人公の確認
- 共感できる人物か?
- 学ぶことのある人物か?
- 応援したくなる人物か?
- 最後に「勝つ価値のある」人物か?
- 原始的でシンプルな動機があり、その動機に納得のいく人物か?
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ログラインの確認
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以下のことをログラインの中で、簡潔にまとめられているか?
- 明確な主人公
- 明確な悪役
- はっきりした動機
- 最大の葛藤
- ログラインとは、道中のミスをダブルチェックするために明確にする
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